ひとつ前に書いた「女性皇族の今後と皇室活動」という記事、
当初は時事と朝日の2社が報道していたのですが、
その後読売、NHKでも記事がアップされていました。

よーく眺めてみると各社の報道内容が微妙に異なっています。

ちょっと興味深かったので、時系列で並べてみました。

時事ドットコム「皇族減少で対応検討=菅官房長官」
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2014063000675
  菅義偉官房長官は30日午後の記者会見で、皇族の減少問題への対応について、「事務方に命じ、政府内で検討している」と明らかにした。皇室活動を安定的に 維持するのが目的。政府は女性皇族に関し、結婚して皇籍を離れた後も皇室活動を継続できる仕組みの導入などについて、具体策の検討に着手している。
 8日に桂宮宜仁さまが亡くなられたことで、皇室は天皇陛下と皇族方の21人にまで減少した。皇室典範は、女性皇族が民間人と結婚した場合は皇族の身分を離れることを定めており、さらに減る可能性もある。
 このため政府は、女性皇族が結婚で皇籍離脱した後も、国家公務員として公的立場から皇室活動に当たる案などを中心に検討を進める。(1731分配信)

朝日デジタル「結婚後の女性皇族、皇室活動継続を検討 菅官房長官会見」
http://www.asahi.com/articles/ASG6Z5K0CG6ZUTFK00V.html
 菅義偉官房長官は30日の記者会見で、女性皇族が結婚後も皇室活動を継続できるよう検討に入ったことを明らかにした。 
皇室典範12条は、女性皇族が天皇や皇族以外の人と結婚した場合は、皇族の身分を離れると定めている。6月8日に桂宮さまが亡くなられ、現在の皇室は天皇陛 下と皇族方の21人。8人が未婚女性で、このうち高円宮家の次女典子さまが今秋、結婚により皇籍を離れることが決まっている。
 女性皇族の結婚でさらに人数が減れば、公務や祭祀(さいし)などに影響する可能性があり、皇室活動維持のための対策が課題となっていた。
 ただ菅氏は具体的な検討内容は明らかにせず、「皇室制度に関する課題は慎重に、そして丁寧に対応していくことが大事だ」と慎重姿勢を強調した。2001分配信)

NHK
 『官房長官 皇室制度の課題「慎重に対応」』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140630/k10015630981000.html
 菅官房長官は午後の記者会見で、皇族の数の減少など、皇室制度に関する課題について、「慎重に丁寧に対応していくことが大事だ」と述べ、政府内で慎重に検討していく考えを示しました。
 政府は皇族の数の減少に一定の歯止めをかけるため、おととし、女性皇族が結婚後も皇室にとどまれる「女性宮家」の創設を検討すべきだとしたうえで、皇室を離れても国家公務員として皇室の活動に参加できる案も盛り込んだ論点整理をまとめました。
 これに関連して、菅官房長官は午後の記者会見で「皇族の減少問題については、これまでの討論の経緯を十分検証するなど、政府内で検討するよう事務方に命じている。それ以上のことは現時点で申し上げることは控えたい」と述べました。
 そのうえで、菅官房長官は「皇室制度に関する課題は慎重に丁寧に対応していくことが大事だ」と述べ、皇族の数の減少など皇室制度に関する課題について、政府内で慎重に検討していく考えを示しました。(2037分配信)

読売オンライン 皇族の減少「政府内で対応検討」官房長官
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20140630-OYT1T50140.html
 菅官房長官は30日の記者会見で、「皇族数の減少にどのように対応していくか、政府内で検討させている」と述べた。
 女性皇族は一般男性と結婚 すれば皇室の身分を離れなければならず、皇族の減少によって皇室の活動の維持が困難になる可能性が指摘されている。このため、民主党の野田内閣は2012 年10月、女性皇族が結婚後も皇室に残れるようにする女性宮家創設に関する論点整理を公表。論点整理では女性宮家創設を検討するべきだとしたほか、女性皇 族が皇籍を離れた後も国家公務員などの公的な立場を付与され、皇室活動に携わる案も付記した。
 安倍首相は女性宮家の創設には慎重な姿勢を示しており、菅氏は記者会見で「皇室制度に関する課題は慎重に、丁寧に対応することが大事だ」とも語った。(2239分配信)

では実際の記者会見で菅官房長官はどのように発言したのでしょうか。
首相官邸のサイトでその発言内容を確認することができます。

首相官邸 630日午後の内閣官房長官記者会見(書き起こし)
http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201406/30_p.html
(降嫁後の女性皇族の皇室活動に関する質問を受けて)
「あの、皇族の減少問題についてはですね、事務方に命じてこれまで討論してこられていますので、そうした経緯を十分検証するなどですね、政府内で検討するよう にしています。そういうことを命じているところでありまして、それ以上のことに関しては現時点で申し上げることは控えたいと思います。」
「皇室制度に関する課題については慎重にそして丁寧に対応していく必要が大事だと思っています。皇族数の減少 にですね、今後どのように対応していくか、こういうことについてはですね、現在これまでの議論を十分検証するなどして政府部内で検討させているというのが 今の正直なところであります。」

(引用ここまで)

それぞれの報道内容を比較すると、

時事ドットコムの報道では記者会見の内容に加え、
「国会公務員として公的立場から皇室活動に当たる案」と
同案の具体的な内容に触れています。

朝日デジタルでは「検討に入ったことを明らかにした」と
まるで論議が今始まったばかりのような印象を与える報道になっています。
また女性皇族の減少が「公務」や「祭祀」に影響するかもしれない
という書き方になっています。
年によってお出ましになる方が変わるテープカットや鑑賞系の公務はともかくとして
「祭祀」に関しては天皇と皇太子以外の皇族には無関係のはずですから
女性皇族の「公務員化」を語るのに「祭祀」を前面に出すのは大きな間違いでしょう。

NHK
と読売オンラインでは「国家公務員」案だけだなく、
「女性宮家創設」案にも触れていますが、
報道のしかたが微妙に異なっています。
NHK
では女性宮家案に付随して女性皇族の公務員化案が出ているとされ、
現内閣も女性宮家の創設を検討しているような報道ですが
読売では女性宮家案は野田内閣時の案であり、
安倍内閣は女性宮家の創設に慎重な構えであるとしています。

検討が始まったばかりなのか、またはすでに始まっているのか
どのような立場で、どのような活動をすることを念頭においているのか
女性宮家創設の話は現時点でどのような段階にあるのか
各社の立場・考えにより報道内容が微妙に異なっているのがよくわかります。

2014
610日の産経ニュース(048分配信)によると
毎年6月と12月に行われる「大祓の儀」に参列する宮家の代表は
これまでは青年男性の「親王」に限られていましたが
今後は成年女性を含む「皇族」に広げられたことが宮内庁から発表されました。
ちなみに戦前には体調不良となった親王に代わって親王妃が参列された例や
親王以外の男性皇族が参列された例もあるのだそうです。
また今回の変更に伴い、宮内庁や皇宮警察の職員らの参列者も
男性に限定されなくなったと同記事にありました。

一般の神社では男女の別なく大祓を受けることができます。
家を継ぐ一人娘のところに男性が婿入りすることもよくあります。
「男性だから」「女性だから」というだけで
個人の人格を無視されるような扱いを受ける人がいなくなることを望みます。